新薬開発からアメリカ食品医薬品局FDAの承認を経て、薬が患者さんに届くまでのプロセスは以下の通りとなります
(日本ではFDAが厚労省になりますが、だいたい似たような流れになります)
1.まず新薬候補が開発される(実際に製品化されるのは10000の新薬候補のうち1つ)
2.動物実験で有効性、安全性が確認される
3.製薬会社はFDAに対してInvestigational New Drug(IND)申請を行う。この際、動物実験の結果、開発の経緯、臨床試験のプランなどの詳細を提出
3.FDAがINDを審査
4.FDAがINDを承認
5.20人から100人の健康な人を対象に第1相臨床試験を実施。ここで安全性と副作用を確認
6.100人単位の患者を対象に第2相臨床試験を実施。有効性や有効な投薬量の決定、さらなる副作用の確認などを行う
7.製薬会社とFDAがミーティングを行い、第3相臨床試験のプランを協議する
8.300-3000人程度の患者を対象に第3相臨床試験を行う。有効性と安全性に関する最終確認を行い、他の薬剤との比較なども検討する。
9.製薬会社とFDAが新薬申請について協議する。ここで製薬会社から申請される書類はおおよそ10万ページにのぼる膨大なものになるとのこと
10.FDAはだいたい60日間かけて、新薬として申請することを許可するかどうか協議する
11.許可されれば、さらにFDAは6ヶ月から10ヶ月かけて、新薬として承認するか協議する
12.さらにFDAは製造工程などについても調査する
13.これらの審議を経て、最終的に承認するか、不認可とするか決定される
▽ただし、重症疾患に対する革新的な治療法などについては、早期承認の道もあり、Accelerated Approvalといわれ、臨床試験の中間段階においても、その時点での結果で承認が早まることもあるようです。(例えば販売後の第4相臨床試験実施を条件に、第2相臨床試験終了段階で承認されることもあります)
▽また、Compassionate useとよばれる、人道的見地からの早期薬剤使用の道もあり、別ページにまとめてあります
(記事作成年月日:平成28年3月23日)
薬が承認されるまで(アメリカでの流れ)
最終更新日:平成28年4月17日